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[ みんなの想いのリレー ]

「想い」リレー 第7回 いちひめ雅楽会代表 飛騨 富久さん

今回の想いのリレーは、市比賣(いちひめ)神社宮司、
いちひめ雅楽会代表の飛騨富久先生です。

飛騨先生は、フランスの著作権管理団体SACDの委員でもあり、
フランスで騎士の称号、日本だと文化勲章にあたる
「シュヴァリエ章」を受賞されているほど、雅楽の中でも飛びぬけて
世界で活躍されています。 

これまで世界最大の雅楽奏者集団「いちひめ雅楽会」の代表として、
雅楽を日本の伝統音楽として世界に広めてこられた熱い想いをお伝えします!

 ※市比賣(いちひめ)神社
  御祭神は全て女神様をお祀りしていることから「女人厄除け」として有名な神社です。
  またその名の示すとおり、京都中央市場の守り神として
  商いの祖神ともされている神社です。 

●雅楽の魅力とは!?●

「そりゃ~雅楽は、もんっ~のすごいもんやで~」

雅楽は、インドから中国からロシアから色んな国から伝わってきた音楽、楽器を

日本人が一つの合奏型式に生み出した世界最古のフルオーケストラなんです。

しかも、指揮者がいません。

だから、それぞれの音をうまく合わせるように「お互いの間」を大切にしています。

それは、押し付けあうのではなく、お互いの心を読みあう感覚に近いですな。

それに、生演奏を聴いたら分かると思うけど、ものすごく壮大で迫力がありますやろ?!

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雅楽の楽器はそもそも単純で、自然」との接し方もまた粋なんです。

穴が空いている岩に風が吹き込むと、音が鳴りますやろ?

それと同じですわ。

雅楽の笛は、竹に穴を開けただけのシンプルな楽器だからこそ、

自分の息が吹きぬける風のようになり、自然と会話できるんやな。

そうした上で、笙(しょう)というハーモニカに似た楽器で天空から降り注ぐさまを、

篳篥(ひちりき)という縦笛が大地を、

龍笛という横笛が、天空と大地をつないで昇天していく龍のさまを

表現しているんですよ。

ぜひ皆さんに本物の雅楽を生で聴いて観てもらいたいですね。

 

●雅楽にほれ込んで、激動の活動●

「たくさんの挑戦の中から、雅楽の魅力を再発見し、伝えていく」

雅楽は、明治になるまで、神社やお寺、宮中に関係する人にしか

楽しめなかったこともあって、いまだに知っている人が少ないんですよ。

特に、最近だと学校の義務教育で雅楽を教えなければならないのに、

教える先生自体が雅楽のことを知らないことが多いですね。

そこで、30年前に「いちひめ雅楽会」を立ち上げ、大学のサークルから社会人、

外国人にいたるまで幅広い人たちに教えてきました。

 

宮内庁から毎回の演奏依頼が来るほどしっかりとした技術を磨きつつも、

色んな人に雅楽を知ってもらい、聴いてもらいたいこともあって、色々と

新しい取り組みもやってきました。

その一環で、10年間、フランスのパリ国立高等音楽・舞踊学校の

コンセルヴァトワールでも雅楽を教えていたことがあります。

 

フランスでは、秋はパリを中心に、夏はプロバンスを中心に活動していて、

コンテンポラリーダンスとのコラボレーションや作曲などの取り組みをやっていましたわ。

ヨーロッパでは、オペラに代表されるように、音楽はダンスのBGMではないんです。

音楽に合わせてダンスが変化する、まさに音楽とダンスが一体となって

作品を作りあげる感じで非常に面白かったですよ。

また、面白いのがコンセルヴァトワールは、各国から音楽や舞で優秀な

生徒が集まるんですが、その生徒たちがことごとく雅楽の独特のリズムが

取れないんですよ。

それは、雅楽では、すべてのリズムが等しく刻まれていないからなんですよ。

そりゃそうでしょ、だって、自然のリズムなんて、均等じゃないですやろ?

 

こうして、フランスをはじめ、中国、アメリカ、イタリアと各国で数十回に

わたって公演をしてきました。

その結果として、フランスで騎士の称号「シュヴァリエ章」を、

指揮者で有名な小澤征爾さんと同じ年、映画監督の北野武さんの一年前にいただきました。

 R0011851.JPG

最近だと、「4分33秒」という座っているだけで周りの人たちが

音楽だというような、ちょっと変った作曲をするジョン・ケージの曲を、

300人の雅楽奏者で演奏したりといった取り組みもしています。

 

昔ながらのことは一生かけてもでけへん、それなのになぜ新しいことを

やらなあかんのか、と言われることがあります。

もちろん、私らでも一生勉強やとおもってんやけど、ちょっと新しいことに

挑戦してみれば若い人も楽しんでもらえるやろ?!

しかも、そうして雅楽の可能性をさぐってみると、新しい発見をしたようで

実は昔の人が考えたものだったと気付かされることが多いですわ。

 

これまで、日本の伝統文化「雅楽」をしっかりと伝承しながらも、

色々な挑戦をして、また改めて雅楽を再発見し、みなさんに

雅楽を伝えていきたいですね。

 

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●TOIROそして、未来への想い●

「もっともっと、雅楽の魅力を!!」

もっと雅楽の魅力を伝えたいし、なによりもまずは伝承していきたいですね。

私は、その役目も負っています。

 

モーツァルトなども宮中音楽だったのに比べて、雅楽はまったく広がっていません。

クラッシック用のコンサートホールは沢山あるのに、雅楽用のコンサートホールは

世界にどこにもありません。

その他の日本の伝統文化と比較しても、能・狂言には能楽堂、

歌舞伎なら歌舞伎座があるにもかかわらず、雅楽にはないんです。

 

「ならいごとの十色」では、まずは雅楽を楽しんでもらえるようにしたいです。

雅楽を楽しむ人を増やすためにも、雅楽の後継者を育てることも大切ですが

雅楽を楽しむ鑑賞文化も育てていきたいですね。

鑑賞する人がいるからこその、演奏者ですわ。

 

「うわ~こんなのがあるんだ~。今度聴くときにはこの辺りを意識してみよう!」

とか「今度、生で聴いてみたいな~」とかまずは思ってもらいたいですね。

 

何かを教えるとき、よ相手に対して「がんばれ、がんばれ!」と言いますが、

私は、雅楽を教えるときは「がんばらんでええよ」とよく言ってます。

 

雅楽を聴いてみたり、演奏してみたりすることを通じて、

ほっこり・はんなりしてもらいたいですね。

 

ぜひ、皆さんもぜひ一度、TOIROで雅楽に触れてみてください!