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[ みんなの想いのリレー ]

「想い」リレー対談 第6回 茶の思月園 店主 高宇 政光さん

「想い」リレー対談の第6回は、ならいごとの十色(TOIRO)のお茶クラスのカリキュラム内容を
監修してくださっている、茶の思月園 店主、高宇 政光さんで
す。

対談では、「伝統」に対する考え方やならいごとはエンターテイメントだ!といった
聞いているこちらがワクワクしてくるお話をお聞きすることができました。

そんな対談の様子はコチラです!

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【高宇 政光さんプロフィール】
  
  茶の思月園* 店主。
  日本茶インストラクター第1期生であり、日本紅茶協会のティーインストラクター資格を持つ。
  1994年から日本茶セミナーを始め、1999年からは、フロリダでの全米茶業者大会を始めとして、
  海外での日本茶セミナーを精力的に行う。

  現在、茶商としての活動のほか、思月園での日本茶セミナーをはじめ、各種セミナー、
  講演会の講師なども務めている。

  著書 「僕は日本茶のソムリエ」     筑摩書房
    「お茶は世界をかけめぐる」     筑摩書房
       「お茶のソムリエの日本茶教室」  筑摩書房

 茶の思月園
:東京・赤羽にあるお茶屋さん。→ http://homepage2.nifty.com/teashop-shigetuen/高宇さん①のサムネール画像

 ●僕はあくまでお茶屋のおやじ

イサオ樂長(以下、樂長):様々な肩書きをお持ちの高宇さんですが、どうお呼びすればよろしいでしょうか?   

高宇政光さん(以下、高宇):僕は、思月園というお茶屋のおやじです。
    他にも、日本茶インストラクター協会の理事や日本茶輸出組合の理事なんて役もありますが、
    役なんて他の人が呼ぶためだけのものですから。あくまで僕はお茶屋のおやじです。

樂長:高宇さんが日本茶インストラクター協会の立ち上げに参画されたのはどうしてでしょうか?

高宇:三重県の茶商が日本茶でも紅茶のインストラクター制度のようなものが必要ではないのかという声を
    上げ、全国でそれをやろうという話になりました。
    その頃、日本茶でセミナーを実施しているのは、当時は僕しかいなかったから、
         声がかかってきたんですよ。

     また、お茶の味を表現する方法が実はあまり無いということもありました。
     つまり、消費者目線に立ったお茶の売り方が出来ていないということです。

     それからカリキュラムだとか、どういう勉強をすれば良いかを考えて進めていきました。

     仲間はみんなお茶屋さんの息子なので、それなりのカリキュラムはできたんです。
     最終的には、日本茶インストラクター協会の今の専務理事が一気に作り上げたところがあります。
     だから僕らが地ならしをやったという感じですね。
     そのときの最初の約20人とは今でも交流はありますよ。

     ただ、現在でも協会はそのときのメンバーが中心になっているのが実情です。
     お茶屋業界は人材難なんですよ。

     僕は、来年で理事を辞めるつもりです。退かないといけない時期に来ているんです。

       僕らがいる場では、他のインストラクターは話ができないんですよ。
   僕が間違ったことを言っても反対できないし、老害以外のなにものでもない。
     「まだ」は、「もう」なんですよ。もうやめなければならないと考えています。
   本人にとっては「まだやれる」かもしれないけど「もう辞めなきゃれば」ってことです。
   
樂長:それを高宇さんクラスの方が仰られるのは凄いことですね。

高宇:僕は組織の中で育っていないからそんなことが言えるんです。
    若いころは海外に行きまくっていましたし、僕にあるのは唯一、思月園だけです。
    そういった人生を歩んできた中で、たまたま今の役割があるだけです。

    どんな功労者であろうが、辞める時期は来ます。今、60歳なんですよ。
    日本茶インストラクター協会を始めたのは40代。今とは色々立場が違います。
高宇さん③

●日本茶の消費者とちゃんと向き合いたい

樂長:そもそも高宇さんが日本茶のセミナーを始めたきっかけは何でしょうか?

高宇:日本茶の消費者と向き合おうとしたことがきっかけです。 しかも、料金を頂いていこうと考えました。
       でも日本茶でお金を頂くという概念が国内には無かったんです。

     その一方、海外では普通にスターバックスのようにお金を取っていたんです。
     だから日本茶でお金を頂くのもいける!と思いました。
     そのために日本茶のことを消費者に伝えていこうと考えたんです。
 
     電器屋さんに例えれば、海外のテレビの値段はテレビというハードの値段なんですよ。
     配送料、設置料などのソフトは別料金です。
     逆に日本では、ソフトがハードのおまけみたいになっていて、料金を取りません。
     海外では消費者にとってソフト自体も価値がある。ソフトの売り方をできていないのが
     日本なんですよ。だから、僕はソフトを売ることにしました。

    思月園ではお茶の葉ではなく、ティータイムを売っているんです。
    それがあそこの商材なんですよ。ティータイムというソフトを売ることで、
    セミナーも急須も売れるし、お茶の葉も売れるということになるんです。

    でもその価値観自体が認められていないので、初めたころは色々言われましたけどね。

●日本茶は唯一の日本産の嗜好飲料

樂長:高宇さんにとって日本茶の魅力とは何でしょうか?       

高宇:あらゆる飲み物について全般的に言えることだと思いますが、   
    もともと社交的なものであり、自分の気持ちを落ち着かせるものなんです。

    さらに日本茶について言えば、この国の中で生産から流通、消費を
    全て国内で維持している唯一の茶種なんです。
    生産が国内にあるということは大きいことです。
   
   コストだけから見るととっても不利なことです。   
   でも安ければ何でも良いというわけでないんです。
   生産に見合った金額をちゃんと払っていくべきなんですよ。   

   私は「伝統」には、生産も含まれると考えています。   

       僕はTOIROのクラスでは   

   「日本茶は、お茶の種類ではないんだよ、日本産のお茶なんだよ」

       ということをちゃんと知ってもらいたいと思っています。
   日本茶はそういったことを伝えられる唯一の嗜好飲料だと思っています。

   それを知ることができれば、もっと日本茶を楽しめることができます。

       例えば、いつもは捨てている茶殻もどうやって楽しめるかっていうことも
     楽しく考えられるようになるでしょう。

    抹茶は、本物のお茶が楽しめて、茶殻が出ない飲み物なんです。
    茶道だけではなく、そのような評価を抹茶に対してできるということを生徒さんから聞いて思いました。
    そういった楽しみ方は、僕らも話していきたいじゃないですか。

●多くの方々にTOIROを通じて自分なりに日本茶を楽しんでほしい

樂長:今回、高宇さんはなぜ「ならいごとの十色(TOIRO)」に協力しようと思われたのでしょうか?   

高宇:多くの人に日本茶を楽しんでいただきたいと思っているからです。

    日本茶もそうなんですが、「伝統」と言われているものは
    実は伝統ではないことが多いんですよ。明治時代に作られたものが多い。

    煎茶を昔からの日本の伝統にしたがる人が多いんですが、
    実は日本人が飲むようになったのは、明治以降なんですよ。

    お茶はそもそも社交の場として、ずっと続いてきました。
        だから、今もそのように社交として楽しもうという形が一番大事なんです。

   他の人とは違っていて良いんです。別に一つの型に入る必要はないんです。

●未来を創るために、「伝統」を検証する

高宇:TOIROの「伝統を、あそぼう。」というコンセプトはとても良いです。 
      そして、あそぶためには「伝統」についてはちゃんとした検証をしていくことが必要になります。

      それぞれの「伝統」には、決して遡れない過去もあったりします。

    でも、「伝統」を検証するときに大切なことは「未来を創るためにやっている」ということなんです。

    日本茶の世界でも、大問題があります。
    実際にちゃんと調べれば、そのように「伝統」にはたくさんの問題があります。
    しかし、それとどうやって向き合っていくかが大切だと思います。

   例えば、有機栽培がもてはやされていますが、基本的に100%安全な食というものはありえないんです。
   食物連鎖の中において、僕らの食があるわけです。
   僕らが食べているものは、人間という生物のためにできているわけではないんです。
   だから安全なはずはないんです。
   
   作物に感染が広がっているとき、農薬はとても有効であることは事実なんです。
       農薬を減らすことは、やるべきですが今の現状では難しいことも事実です。
   
    比留間さんという僕が絶対的に信頼している日本茶の生産家がいますが、
    彼が有機栽培は無理だと言っているのだから、無理なんですよ。
   
    そのように多くの知識を知った上で行動していきたいですね。

●本当の勉強は自分で開拓していくもの

樂長:TOIROでは講師やコンシェルジュの皆さんに「伝統を、あそぼう。」のロールモデルに
    なって頂きたいと考えています。   

高宇:日本茶の場合、日本茶インストラクターになったところで、知識が不十分なのは否めません。
     いくら勉強してもあいまいなところはあります。
   
    本当の勉強は、自分で開拓していくものです。
    色んな古い資料を調べに行っても見つからないことの方が多いのが現実です。
    その空振りに耐えられるかどうかです。   

    もちろん、いきなりそのようになることは無理でしょう。   
    でも講師やコンシェルジュの人たちがそうなっていくまでの間を
    「ならいごとの十色(TOIRO)」が作ってあげればいいと思います。
   
●「あそび」をちゃんとやることが大事

樂長:「ならいごとの十色(TOIRO)」で、高宇さんが実現したいと思うことは?   

高宇:ならいごとは結果的に、エンターテイメントなんですよね。
    そのため、クラスをエンターテイメントとして、成立させたいですね。

    これは、アメリカ人が相当上手いです。                   
    最近、アメリカの展示会などに行くと、「バリスタコンテスト」が多く開催されているんです。                   
    司会者がいて、TV放映もあって物凄くショーアップしており、まるでラスベガスのようです。                   
    そんな風にお茶を楽しんでもらえる方法を考えていたいです。                   
       
    まさに、「伝統を、あそぼう。」です。                   
    「あそび」なんですよ。それが大事です

   「あそぶ」をちゃんとやる。
        そこがいちばん、TOIROがやらなければならないことだと思います。

   日本人は「あそび」を嫌がる体質があります。
   でも「あそび」が無いと、伝統に甘えちゃうんですね。
   
   僕らは日本茶の楽しみ方をゼロから創っているからこそ、
   初めて良いものができるんです。   
       
   今じゃ茶道は求道者みたな扱いになっていますが、   
   お茶会も初めの頃は、ドンチャン騒ぎをしていたんですし(笑)。

   求道者のようにしてしまう方が楽ですし、習っている方もそういったことを求めてしまっているんですよ。   

    「ならいごとの十色(TOIRO)」も今後広がっていった時に、ある時期に
   求道者になるような要素を求められるかもしれませんが、
   いろんな場面で、伝統を「あそび」として提示するエンターテイメントを
   作っていきたいですね。

   そのためには知識も必要だと思いますが、がんばっていきましょう!
高宇さん②のサムネール画像-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
高宇さん 本当にありがとうございました。
これからも一緒によろしくお願いいたします!

高宇さんが監修された日本茶を日常生活に取り入れて、
楽しんでいくクラスを実施しておりますので、
ぜひ皆さんお茶のクラスにも参加してみてくださいね~。